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ちゃんとしなきゃ、で疲れてしまうときに

朝から理由もなく気持ちが落ち着かない日があります。
まだ何かが起きたわけではないのに、なぜか心だけが先に消耗している。そんな感覚です。

やることが山積みというほどでもないのに、頭の中だけがずっと忙しい。
返事は早くしたほうがいいかな。
あの件はきちんと進めないと。
変に思われないようにしておこう。
そんな小さな緊張が積み重なると、気づかないうちに心が休まらなくなっていきます。

以前の私は、まさにそうでした。

周りから見れば、そこまで気にしなくてもいいようなことまで、必要以上に背負ってしまうことがよくありました。
言葉の選び方、相手の表情、その場の空気。
ひとつひとつに敏感になって、自分の振る舞いを何度も心の中で確認していたのです。

今振り返ると、私はずっと力が入っていたのだと思います。
失敗しないように。
誰かをがっかりさせないように。
きちんとしている人でいられるように。
そうやって気を張っていると、その場はなんとか乗り切れても、心の奥には疲れがたまっていきます。

丁寧に生きようとすることは、決して悪いことではありません。
誠実でありたいと思う気持ちも、とても大切です。
ただ、その思いが自分を追い込むものに変わってしまうと、苦しさのほうが大きくなってしまいます。

こうした状態の奥には、不安が隠れていることがあります。
嫌われたくない。
期待を裏切りたくない。
役に立たないと思われたくない。
そんな気持ちが土台にあると、必要以上に自分を厳しく管理してしまうのです。

やっかいなのは、それがいつの間にか当たり前になってしまうことです。
気を配ることも、無理をすることも、我慢することも、日常の一部のようになってしまう。
そうなると、疲れていることにさえ鈍くなってしまいます。

本当は少し休みたい。
静かな時間がほしい。
誰かに「大丈夫」と言ってもらえたら救われる。
そんな気持ちがあっても、後回しにしてしまう方は少なくありません。

サロンでも、「私が気にしすぎなんです」と言いながらお話しくださる方が多くいらっしゃいます。
けれど、丁寧に伺っていくと、その方はずっと周囲のことを考え、空気を読み、誰かのために頑張ってこられたのだとわかります。
私は、そういう姿勢そのものを否定したいわけではありません。
ただ、ずっとその状態のままでは心がもちません。

だからこそ、自分をゆるめる時間が必要なのだと思います。

全部を完璧にこなそうとしない。
今日はひとつできたら十分、くらいにしてみる。
すぐに反応しなければと思ったときこそ、一度深呼吸をはさむ。
それだけでも、心の張りつめ方は少し変わってきます。

以前の私は、気を抜いたらだめになると思っていました。
でも実際には、無理を重ねているときほど、自分の感覚が見えなくなっていたように思います。
好きなことも、疲れていることも、本当は嫌だったことも、よくわからなくなっていました。

人は、余白がないと自分の本音に気づきにくくなります。
だから整える時間が必要なのです。
何か立派なことをする時間ではなく、元の自分に戻るための時間。
張っていた気持ちを少しほどいて、今の自分を確かめるための時間です。

香りに助けられる日もあります。
あたたかい飲み物にほっとすることもあります。
静かな場所で肩の力を抜くだけで、気持ちが落ち着くこともあります。
整えるというのは、そういうささやかなことの積み重ねなのだと思います。

自分に厳しくなっているときほど、かける言葉も強くなりがちです。
まだ足りない。
もっとちゃんとしないと。
そんなふうに追い立てるのではなく、少しだけやわらかい言葉を向けてあげてほしいのです。

今日も十分やっている。
今は少し休んでもいい。
そんなひと言があるだけで、心の緊張がゆるむことがあります。

完璧でいることより、無理をためこまないこと。
きちんとして見えることより、自分が心地よくいられること。
そのほうが、結果的に人にもやさしくなれるのではないかと私は感じています。

もし最近、はっきりした理由はないけれど疲れやすいと感じているなら、心のどこかに力が入り続けているのかもしれません。
そんなときは、全部をうまくやろうとしなくて大丈夫です。

少し手を抜く。
少し休む。
少し自分を優先する。
そのくらいでちょうどいい日もあります。

毎日を丁寧に生きたいと思う気持ちは、とても素敵です。
だからこそ、その丁寧さが自分を苦しめるものにならないように、まずは自分の心の様子を静かに見てあげてくださいね。

今日も読んでくださって、ありがとうございました。